BOX 2A ショウジョウバエで発生に影響を与える突然変異を同定するための、突然変異誘発と遺伝的スクリーニング
図中aは、この方法で標識された染色体された染色体
https://gyazo.com/bb2fab3cf8d4f53e31921b0a249fd9b1
この劣性の突然変異は、ホモ接合体が生存でき、成虫で容易に識別できる表現型のものを選んで用いる ここでは野生型の正常な赤眼ではなく、ホモ接合体が白眼になるwhite-を用いる EMSで処理された雄は、色々な突然変異体が誘発された"a"染色体(a*)を持った精子をつくる この雄を、2つのa染色体上に異なる突然変異(DTSとb)を持つ、EMSで処理していない雌と交配する
これらの突然変異によって、雌由来の未処理の染色体を追跡でき、雌由来の染色体を2つ持つ全ての胚を次世代から除去できる
bは発生に関与しない劣性致死突然変異であり、雌由来のこの染色体のホモ接合体は、正常な外見の胚として死に、自動的に次世代から除かれる
バランサーは、雌で起こる、雄由来の染色体と雌由来の染色体の間の組換えを防ぐ
ショウジョウバエの雄では、組換えが起こらない
EMS処理で誘発された新たな劣性突然変異(a*)を同定するためには、最初の交配で得られた多数のヘテロ接合体の雄を、DTS/bの雌と再度交配しなくてはならない
それぞれの交配の子孫を29℃で飼育すると、a*/bの個体だけが生き残り、その他のすべての組合せの個体は死ぬ
そこでは、3つの可能性がある
誘発されたa*突然変異のホモ接合体である可能性
これははじめに雄が持っていたa染色体を標識した突然変異のホモ接合体でもある
a*のヘテロ接合体である可能性
bのホモ接合体である可能性
胚として死ぬ
もしa*がパターン形成を異常にする突然変異で、幼虫で致死になるとすると、交配を行った培養容器には、EMS処理した雄の表現型である白眼の成虫はいない したがって、培養容器に白眼のハエがいれば、誘発されたa*のホモ接合体は成虫まで発生できることを意味するので、すぐに処分できる
白眼のハエがいない培養容器ではa*ホモ接合体の胚は、致死か、発生異常によってそれらの発生が停止していることになる
したがって、これらの突然変異は興味深いものである可能性がある
この図で示した例のように、この交配で得られた胚のパターン形成の異常を調べることができる
この培養容器の成虫はa*のヘテロ接合体で、表現型は野生型
この成虫は、この突然変異をさらに解析するための繁殖用の系統として用いられる
この計画はショウジョウバエの4対の染色体について、同じように実施する必要がある